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特許出願も中国優位に 10年見通し、日本での件数上回る

リリース時間:2011-01-17

2010年の中国での特許出願件数が初めて日本での特許出願件数を上回る見通しであることが2日、分かった。10年の特許出願件数は、中国で40万件程度になると予想される一方、日本は35万件程度にとどまる公算。中国での出願の7割以上が中国企業によるもので、この数字だけを見ると、中国企業の開発力向上がうかがえる。ただ、中国は日本に比べて特許申請にかかるコストが低いことから、質の低い特許がむやみに申請されている可能性を指摘する声もある。
       中国国家知識産権局によると、10年に中国国内で出願された特許の件数は11月末時点で34万1365件に上る。前年同期比で3割程度の伸びで、通年では約40万件に達する可能性が高い。一方、日本は月ごとの出願件数は公表していないが、10年の出願件数は「前年並みか前年をやや下回る程度」(特許庁)で推移しており、多くても35万件程度になるとみられている。
       中国の特許出願件数は10年前の00年時点では年間約5万2000件で、同時期の日本の特許出願件数(約44万件)の12%程度でしかなかった。しかし中国は、コンピューターやデータ伝送技術などIT(情報技術)関連の特許申請を急速に増やすなどして、日本を追い越した形だ。
       各国における特許出願件数は国産技術革新の度合いを示すデータの一つ。中国では出願件数の約74%が中国企業によるもので、申請件数の急増は中国企業の技術開発力の成長を意味する。中国は「11年には研究開発費でも日本を抜き、米国に次ぐ世界2位になる」(米国のシンクタンク)とみられ、欧米では「中国がまもなく技術革新国としても世界一になることは間違いない」との分析もあるほどだ。
ただ、中国の出願件数の増加には、「地方政府が出願に奨励金を出すなどしており、日本に比べて出願のハードルが低い。このため質が高くない特許出願が多数含まれている可能性がある」(特許庁)との批判も強い。
       第一生命経済研究所の西浜徹副主任エコノミストは「中国の特許申請の増加を技術開発力向上と結びつけるのは早計。日本企業が開発した技術が中国企業によって中国国内で申請されているケースもあり、日本企業は世界最大の市場である中国での特許取得に力を入れるべきだ」と指摘している。(小雲規生)

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