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北京市高級人民法院「特許権侵害判断の若干の問題

リリース時間:2004-12-31

北京市高級人民法院は、2001年9月29日に北京市第一、第二中級人民法院に「特許権侵害判断の若干の問題に対する意見(試行)」を出して、実行を求めた。その主な内容は次の通りである。

一 発明、実用新案の特許権保護範囲の確定
(一) 保護範囲確定の解釈対象
1.発明又は実用新案の特許権保護範囲は権利請求(クレーム)の内容を基準とする。明細書及び添付図面はクレームの解釈に用いることができる。しかし明細書及び添付図面の内容をクレームに取り入れることはできない。
2.特許された独立クレームは、発明又は実用新案の技術方案を全体的に反映しており、技術的課題を解決するための必須の技術的特徴を記載している。その保護範囲は従属クレームと比べて最も広い。そのため、特許権保護範囲を確定する時、保護範囲が最大の独立クレームについて解釈すべきである。
3.一つの特許で2個以上の独立クレームが存在する場合がある。その場合、権利者が提出した特許侵害訴訟請求に基づいて、その中で関係する独立クレームが定義する保護範囲のみ解釈する。
4.権利者が特許の従属クレームによって被告の権利侵害を訴えた場合、人民法院は従属クレームの保護範囲について解釈することができる。
(二) 保護範囲確定の解釈原則
5.特許権有効の原則。原告が保護を求めるものは、特許法に依って保護される有効な特許権でなければならない。保護期間が既に過ぎたり、中国専利局で取消されたり、専利復審委員会で無効宣告されたり、又は特許権者によって既に放棄された発明創造であってはならない。
6.クレームの内容を基準にする特許権の保護範囲確定原則。明細書及び添付図面でクレームを解釈する場合、折衷解釈主義を採用しなければならない。周辺限定主義、即ち特許の保護範囲とクレームの文言の定義とが完全に一致し、明細書及び添付図面はクレーム中の不明瞭なところを明確にするためだけに用いることは避けなればならない。中心限定主義、即ちクレームは発明全体の中核を確定するだけのものであって、その保護範囲は、技術専門家が明細書及び添付図面を読んだ後、特許権者が保護を要求していると考える範囲にまで拡大することは、避けなければならない。折衷解釈は、上述の二つの極端な解釈原理の中間にあって、特許権者の合理的で正当な保護と公衆の法的安定性とその合理的利益を結びつけるものでなければならない。
7.クレームに記載された技術内容をひとつの完全な技術案とみなす原則。特許の独立クレームに記載された全ての技術的特徴で表現された技術内容は、ひとつのまとまりと見なさなければならない。前提部分に記載された技術的特徴と特徴部分に記載された技術的特徴は、特許の保護範囲の限定において同じ役割を果たす。
8.クレームを解釈する場合、クレームに記載された技術内容を基準にし、クレームの文字又は言葉づかいを基準にしない原則。その技術内容は、明細書及び添付図面を検討し、発明又は実用新案の技術領域、出願日前の公知技術、技術解決案、作用及び効果を全面的に考慮した上で、確定されなければならない。
9.クレーム解釈は公平原理に従う原則。クレーム解釈は、特許権者が従来技術に対して行った貢献を十分に考慮し、特許の保護範囲を合理的に確定し、特許権者の権益を保護すると共に、公衆の利益を侵害してはならない。公知技術を特許の保護範囲に含める解釈をしてはならない。また特許技術を公知技術と解釈してはならない。
(三) 保護範囲を確定する解釈方法
10.特許の保護範囲を確定する場合、国家の権利付与機関が最終的に公告したクレーム本文又は既に法的効力が生じた復審決定、取消決定、無効決定で確定したクレームの本文を基準としなければならない。
11、特許の明細書及び添付図面は、クレームの文言で限定される技術案の保護範囲の公平的拡大又は縮小解釈に用いることができる。即ち、必須の技術的特徴と均等な技術的特徴を特許の保護範囲と解釈し、又は明細書及び添付図面によって幾つかの技術的特徴を限定することができる。
12.独立クレームが特許明細書と一致しないか相互に矛盾するような場合、当該特許は特許法第26条第4項の規定に合致しておらず、当事者は特許無効手続きで解決を図らなければならない。当事者が無効手続きで解決する意思がない場合、人民法院は特許権が有効なものとしてクレームを優先する原則で、クレームが限定する保護範囲を基準としなければならない。明細書又は添付図面で開示された内容で、クレームで記載された技術内容を正してはならない。
13.独立クレームに記載された技術的特徴に曖昧な部分がある場合、従属クレーム又は明細書及び添付図面と組み合わせて、独立クレームについて明瞭な解釈を出すことができる。
14.従属クレームに、本来独立クレームで記載すべき発明の技術的課題を解決するために必要不可欠な技術的特徴が含まれている場合(この技術的特徴がないと、独立クレームに記載された技術案は不完全なものとなる)、その特許は特許法実施細則第21条第2項の規定を合致していない。当事者は特許無効の手続きを行って解決することができる。当事者が無効手続きで解決することを望まない場合、人民法院は当事者請求の原則に基づき、特許権保護範囲を確定する時、相応する従属クレームによって、特許権の保護範囲を限定する。
15.特許の明細書及び添付図面に記載され、特許されたクレームに反映されていない技術案は、特許の保護範囲に含めることはできない。明細書及び添付図面を根拠として、特許権の保護範囲を確定することはできない。
(1)ある技術案が特許明細書で十分に開示され、具体的な記載と表現がされているが、クレームで記載されていない場合、その技術案は特許の保護範囲に含まれないと認定すべきである。クレーム解釈において、それを特許の保護範囲に含めることは認められない。
(2)クレームに記載された技術内容と特許明細書に記載され表現されたものが同一でない場合、クレームの記載が優先され、明細書及び添付図面で記載された内容でクレームの記載内容を訂正することはできない。
(3)特許の明細書及び添付図面に開示された技術内容の範囲が広く、クレームで請求された保護範囲が狭い場合、原則的には、クレームの技術内容で特許の保護範囲を確定するしかない。
16.独立クレーム及びその従属クレームに、発明又は実用新案の技術的課題を解決するための必須の技術的特徴がなく、特許の明細書又は添付図面にその必須の技術的特徴が開示されている場合、その特許は特許法実施細則第21条第2項の規定に満たしておらず、当事者は特許無効手続きで解決しなければならない。
17.クレームに添付図面の符号が付されている場合、添付図面に表されている具体的構造でクレームの技術的特徴を限定してはならない。特許の保護範囲も、明細書に開示された具体的実施例に完全に制限されてはならない。
18.要約は特許の保護範囲を確定するのに用いることはできない。またクレームを解釈するのに用いることはできない。
19.特許出願包袋書類及び不服審判、取消し、無効での包袋書類は、特許の保護範囲を解釈する場合、特許権者の反言を禁じるのに用いることができる。
20.特許出願包袋書類及び不服審判、取消し、無効での包袋書類は、特許文書の印刷の誤りを補正するのに用いることができる。特許文書の印刷の誤りが特許の保護範囲確定に影響を与える場合、特許包袋書類の原文書を基準にしなければならない。
21.クレーム又は明細書に明らかなタイプミスがある場合、実際の情況を考慮し正確に解釈をしなければならない。

二 発明、実用新案の特許権侵害の判断
(一) 侵害判断での比較
22.権利侵害を判断するには、クレームに記載されている技術案の全ての必須の技術的特徴と被疑侵害製品(製品又は方法)の全ての技術的特徴とを、ひとつづつ対応させて比較しなければならない。
23.権利侵害の判断において、一般的には、特許製品と侵害製品とを直接比較しない。特許製品は関係する技術的特徴と技術案を理解するための助けとして用いることができる。
24.原告、被告の双方の当事者が特許権を有する場合、一般的には、双方の特許製品又は双方のクレームによって、権利侵害の比較を行うことはできない。
25.製品の発明又は実用新案について、特許権侵害の比較判断を行う場合、一般的には、侵害物と特許技術が同一の応用分野であるか否かについては考慮しない。
(二) オールエレメント原則の適用
26.オールエレメントとは、被疑侵害製品(製品又は方法)がクレームに記載された技術案の必須の技術的特徴を全て備えていること、被疑侵害製品(製品又は方法)と特許の独立クレームに記載された全ての必須の技術的特徴が一対一で同じであることを意味する。
27.オールエレメント原則とは、全ての技術的特徴を包含原則又は文言侵害原則のことである。被疑侵害製品(製品又は方法)の技術的特徴が、クレームで記載された全ての必須の技術的特徴を包含していれば、特許の保護範囲に含まれる。
28.特許の独立クレームに記載された必須の技術的特徴は上位概念の特徴であり、被疑侵害製品(製品又は方法)の技術的特徴は下位概念の特徴であるとき、被疑侵害製品(製品又は方法)は特許の保護範囲に含まれる。
29.被疑侵害製品(製品又は方法)が、特許されたクレームの全ての必須の技術的特徴を基礎にして、新たな技術的特徴を加えたとしても、依然として特許の保護範囲に含まれる。この場合、被疑侵害製品(製品又は方法)の技術的効果が特許技術と同じか否かは考慮されない。
30.被疑侵害製品(製品又は方法)が、先特許の技術に対して改良された技術案であり、特許権を得た場合、従属特許になる。先特許の権利者の許可を得ない従属特許の実施は、先特許の保護範囲に含まれる。
(三) 均等論の適用
31.特許権侵害の判断において、オールエレメント原則を適用して被疑侵害製品(製品又は方法)が特許権を侵害しない場合、均等論で侵害判断を行わなければならない。
32.均等論は、被疑侵害製品(製品又は方法)の一つ又は二つ以上の技術的特徴が、特許の独立クレームで保護された技術的特徴と比較して、文言上異なるが、分析すれば両者は均等である技術的特徴を指す。この場合、被疑侵害製品(製品又は方法)は特許の保護範囲に含まれると認定しなければならない。
33.特許の保護範囲には、特許の独立クレームで保護を求める必須の技術的特徴と均等の技術的特徴によって確定された範囲が含まれる。
34.均等な特徴又は均等物。被疑侵害製品(製品又は方法)で、以下の2つの要件を同時に満足する技術的特徴は、クレームの対応する技術的特徴の均等物である。
(1)被疑侵害製品の技術的特徴とクレームの対応する技術的特徴とを比較して、基本的に同じ手段を用いて、基本的に同じ機能を実現し、基本的に同じ効果を達成する。
(2)その特許が属する分野の普通の技術者にとって、クレームと明細書を読んで、創造的な努力をしなくても、技術的特徴を思い付くことができる。
35.均等物は具体的な技術的特徴で相互に置換し得るものであって、技術案全体の置換ではない。
36.均等物の置換には、クレームにおける特色的技術的特徴に対する置換が含まれ、前提部分の技術的特徴の置換も含まれる。
37.被疑侵害製品(製品又は方法)の技術的特徴と独立クレームに記載された技術的特徴とが均等か否かの判断については、侵害行為が生じた時を判断の時間的基準としなければならない。
38.権利侵害の判断に均等論を適用するについては、被疑侵害製品(製品又は方法)の具体的な技術的特徴が、特許の独立クレームの対応する必須の技術的特徴と均等か否かに適用され、被疑侵害製品(製品又は方法)の全体的技術案と独立クレームに定義されている技術案が均等か否かには適用されない。
39.均等の侵害判断をする場合、その特許が属する分野の通常の技術者の専門知識を基準にしなければならない。所属する分野の高級の技術専門家の専門知識を基準してはならない。
40.均等の侵害判断をする場合、パイオニア的で重大な発明特許については、均等の保護範囲を適当に広く確定してもよい。組合せの発明或いは選択発明については、均等の保護範囲を適切に厳しく確定してもよい。
41.クレームの必須の技術的特徴を故意に省略して、その技術案が達成する性能及び効果が、特許の技術案に及ばず、技術案を改悪し、改悪された技術案がその必須技術的特徴を省略したことによって生じていることが明らかな場合、均等論を適用して、特許権を侵害していると認定しなければならない。
42.特許侵害判断において、下記の場合、均等論を適用して被疑侵害製品(製品又は方法)が特許権の保護範囲に含まれると認定してはならない。
  (1)被疑侵害製品の技術案が出願日前の公知技術に属する場合、
  (2)被疑侵害製品の技術案が抵触出願又は先願特許に属する場合、
  (3)被疑侵害製品の技術的特徴が、特許権者が特許出願し、審査及び特許権の
効力を維持する過程で、特許保護から明確に排除した技術内容に属する場合。
(四) 禁反言原則の適用
43.禁反言原則とは、特許の審査、取消し、無効手続きで、特許権者がその特許が新規性、進歩性を備えていることを明らかにするために、書面による明示又は特許書類の補正によって、クレームの保護範囲を限定することを承諾か又は部分的に放棄して特許権を獲得し、特許侵害の訴訟中に、人民法院が均等論を適用して特許権の保護範囲を確定する時、特許権者が既に限定、排除、又は放棄した内容を、再度特許権の保護範囲に含めることを禁じることである。
44.均等論と禁反言原則が適用において衝突した場合、即ち、原告は均等論を適用して被告がその特許権を侵害していると主張し、被告は禁反言原則を適用して特許権を侵害していないと主張した場合、禁反言原則の適用を優先にしなければならない。
45.禁反言原則を適用する場合、以下の要件に合致しなければならない。
(1)特許権者が関係する技術的特徴に対して行った限定の承諾又は放棄は明示されなければならず、尚且つ特許の包袋に既に記録されていなければならない。
(2)限定の承諾又は保護を放棄した技術的内容が、特許権付与又は特許権維持に対して実質的な作用を果たしたものでなければならない。
46.禁反言原則の適用は、被告の請求を前提にし、被告が原告の反言に関する証拠を提出しなければならない。
(五)不可限定原則の適用
47.不可限定原則とは、特許侵害判断において、特許の独立クレームを解釈し特許の保護範囲を確定する時、特許の独立クレームに記載された明らかな付加的技術的特徴(即ち余分な特徴)を除いて、独立クレームの必須の技術的特徴のみで特許の保護範囲を確定して、被疑侵害製品(製品又は方法)が特許の保護範囲に含まれるか否かを判断する原則のことである。
48.特許の独立クレームに記載された技術的特徴が付加的技術的特徴に属するか否かを認定するには、特許明細書及び添付図面に記載された当該技術的特徴が、発明の目的の実現、技術的課題の解決に及ぼす機能、効果、及び特許権者が特許審査、取消し又は無効審査で中国専利局又は専利復審委員会で行った当該技術的特徴の陳述と合わせて、総合的に分析して判断しなければならない。
49.特許の独立クレームに明確に記載されているが、特許明細書でその機能、作用について説明されていない技術的特徴は、付加的技術的特徴と認定してはならない。
50.不可限定原則を適用して付加的技術的特徴を認定する場合、以下の要素を考慮しなければならない。
   (1)当該技術的特徴が、特許の技術案と特許出願日前に既にある技術案と異ならせるのに必須の技術的特徴に属するか否か、特許の新規性、進歩性を体現する技術的特徴に属するか否か、即ちクレームで当該技術的特徴を除外しても、当該特許の新規性、進歩性を備えているか否か。
   (2)当該技術的特徴が、特許発明の目的を実現し、発明の技術的課題を解決し、発明の技術的効果を獲得するための必須のものであるか否か、即ち特許の独立クレームに記載された技術案が当該技術的特徴を除去した場合、その特許はなお発明の目的を実現又は基本的に実現し、発明の効果を達成するか否か。
   (3)当該技術的特徴には、特許権者が反言するような事態があってはならない。
51.独立クレームに記載されている特許の技術的課題の解決に関係ないか又は主要な作用を生じず、特許性に影響しない付加的技術的特徴が、被疑侵害製品(製品又は方法)に欠けており、それによって被疑侵害製品(製品又は方法)の技術的効果が特許技術より明らかに劣っているが、出願日前の公知技術より明らかに優れている場合、不可限定原則を適用してはならない。この場合、均等論を適用して、侵害品(製品又は方法)が特許の保護範囲に含まれることを認定しなければならない。
52.人民法院は自発的に不可限定原則を適用してはならない。原告が請求と証拠を提出することを条件としなければならない。
53.非実用新案の技術的特徴を備えた実用新案のクレームについては、クレームの文言に従ってその実用新案特許の保護範囲を厳格に限定しなければならない。そのクレームに非実用新案の技術的特徴を、必須でない技術的特徴と認定してはならない。即ち、被疑侵害製品(製品又は方法)が実用新案特許の独立クレームの非実用新案的技術的特徴が欠けている場合、特許権侵害を構成しない。
54.発明のレベルが比較的低い実用新案特許については、通常、不可限定原則を適用して特許保護範囲を確定することはしない。
55.不可限定原則を適用する場合、特許権者の過失責任を考慮して、損害賠償の際反映されなければならない。

三 意匠特許権の侵害判断
(一) 意匠の保護範囲の確定
56.意匠特許権の保護範囲は、図面又は写真で表された特許製品の意匠を基準とする。意匠の簡単な説明は、意匠の保護範囲を理解するのに用いることができる。
57.意匠の特許権者は、侵害訴訟で、その意匠の「設計要点図」を提出して、その意匠の保護すべき創作部分と内容を説明しなければならない。特許権者が意匠特許出願時に既に中国専利局に「設計要点図」を提出した場合、特許包帯書類は意匠の要点を認定する証拠とすることができる。
58.意匠特許権が色彩の保護を要求している場合、意匠の保護範囲を確定するために、権利者は中国専利局が認可した関係する証拠を提出しなければならない。必要な場合、人民法院は中国専利局の包袋にある色彩内容と照合しなければならない。
59.意匠特許権が色彩の保護を要求している場合、保護を求めている色彩を意匠の保護範囲を限定する要素の一つとしなければならない。侵害判断においては、その意匠に含まれる形状、模様、色彩及びそれらの組合せと被疑侵害製品の形状、模様、色彩及びそれらの組合せを逐一対比しなければならない。
60.意匠特許権の保護範囲は、その意匠の特許出願日又は優先権日前に既に知られていた設計内容に及んではならない。
61.意匠特許権の保護範囲は、機能、効果の役割しか果たせず、消費者が通常の使用において見えないか又は製品に対して審美的な役割を生じない設計内容を除かなければならない。
(二) 意匠の侵害判断
62.意匠特許権の侵害判断において、被疑侵害製品と特許製品が同一の類に属する製品であるか否かを審査しなければならない。同一の類に属する製品でなければ、意匠特許権侵害は構成しない。
63.意匠特許製品と被疑侵害製品が同一の類に属するか否かを審査するには、意匠分類表を参照し、商品の販売の客観的な実際の情況を考慮して、同一の類に属するか否かを認定しなければならない。
64.同一の類の製品というのが、意匠特許権の侵害判断の前提であるが、特殊な事情においては、類似した製品の意匠についても侵害判断されることを排除するものでない。
65.意匠特許権の侵害判断を行う場合、即ち被疑侵害製品が意匠特許製品と同一又は類似するか否かを判断する場合、一般消費者の審美観を基準しなければならない。意匠特許が属する領域の専門技術者の審美観を基準にしてはならない。
66.一般消費者は特別な消費群体であって、意匠特許と同類の製品又は類似の製品の購入群体又は使用群体を意味する。
67.被疑侵害製品を特許製品と対比する場合、両者が同一の美感を有しているかを全体的に観察し、総合的に判断しなければならない。対比のポイントは、特許権者の独創性に富んだ美感の主要な部分(要部)と被疑侵害製品の対応部分である。被告は原告の独創部分を剽窃、模倣しているかを判断しなければならない。
68.原告、被告の双方が意匠特許を獲得し実施している情況では、二つの意匠が同一又は類似している場合、後で獲得した意匠特許権を実施する行為は、先に獲得した意匠特許権を侵害すると認定することができる。
69.意匠特許権の侵害判断では、発明又は実用新案の特許権侵害で採用される均等論は適用されない。
(三) 同一及び類似の認定
70.特許製品の意匠と被疑侵害製品の意匠が同一又は類似するか否かは、両者を比較しなければならない。
  (1)両者の形状、模様、色彩等の主要な部分(要部)が同一の場合、両者は同一の意匠であると認定しなければならない。
 (2)構成要素において主要な設計部分(要部)が同一又は類似して、付随的な部分が同一でない場合、類似意匠と見なさなければならない。
 (3)両者の主要な意匠部分(要部)が同一又は類似でない場合、同一又は類似しない意匠と見なさなければならない。
71.特許製品の意匠及び被疑侵害製品の大きさ、材質、内部構造及び性能は、両者の同一又は類似を判断するの根拠にしてはならない。
72.色彩の保護を求める意匠については、その意匠が公知の意匠に属するかを先ず確定しなければならない。もし公知である場合、その模様、色彩のみについて判定しなければならない。形状、模様、色彩が全て新規である場合、形状、模様、色彩の三つの組み合わせをしたものによって判断しなければならない。

四 その他の特許権侵害行為の判断
(一) 間接侵害について
73.間接侵害は、行為者が実施した行為が直接他人の特許権の侵害を構成しないが、他の者が他人の特許を実施することを誘導、扇動、教唆し、直接的な侵害行為が生じ、行為者が主観的に他の者が他人の特許権を侵害する故意を誘導又は教唆し、客観的には他の者が直接の権利侵害行為の発生に必要な条件を提供したことである。
74.間接侵害の対象は専用品のみに限られ、汎用品ではない。ここでいう専用品とは、他人の製品の実施のみに用いる鍵となる部品又は方法特許の中間品である。他人の特許技術(製品又は方法)の一部分の実施にあたり、決してその他の用途がないものである。
75.製品特許において、間接侵害とは、特許製品の製造に使用される原料又は部品を提供、販売、又は輸入することである。方法特許において、間接侵害とは、方法特許に使用される材料、部品又は専用設備を提供、販売、又は輸入することである。
76.間接侵害者は、他人の特許権を直接に侵害することを、主観的に誘導、扇動、教唆の意図がなければならない。
77.行為者は他の者が特許権の侵害を行うことを明らかに知っているにも拘わらず、侵害の条件を提供した場合、間接侵害となる。
78.間接侵害は、一般的には直接侵害が生じていることを前提条件としており、直接侵害行為が生じていない場合、間接侵害は存在しない。
79.法によって直接侵害行為が追求されないか又は特許権の侵害と見なされない下記の状況が生じた場合、間接侵害の行為者の侵害責任を直接追及することができる。
(1)特許法第63条に規定された、特許権の侵害行為と見なさない行為。
(2)個人が非営利目的で、特許製品を製造、使用又は特許方法を使用する行為。
80.中国の法律によって認定された直接侵害が外国で発生しているか又は発生する可能性がある場合、間接侵害の行為者の侵害責任を直接追及することができる。
(二)他人の特許の詐称に関して
81.他人の特許を詐称するとは、特許権者の許可を得ずに、特許標記を勝手に使用する以下の行為を言う。
(1)製造又は販売する製品、製品の包装に他人の特許番号を表示する;
(2)広告又はその他の宣伝媒体に他人の特許番号を使用して、関係する技術は他人の特許技術であると誤認させる;
(3)契約書に他人の特許番号を使用し、契約書に係れた技術は他人の特許技術であると誤認させる;
(4)他人の特許証書、特許文献、特許出願文献を偽造又は変造する。
82.他人の特許を詐称する行為には、以下の事項を全て備えていなければならない。
(1)詐称行為が発生していなければならない。即ち特許権者の許可を得ずに、ある方式でその製品は他人が獲得した法律で保護される特許製品であると表明し、又はある方式でその技術が他人が獲得した法律で保護される特許技術であると表明し、公衆を誤導する結果を生じる;
(2)詐称されるものは、他人が既に取得した、実在する特許でなければならない;
(3)他人の特許を詐称する行為は、故意の行為でなければならない。
83.他人の特許を詐称する行為の侵害の客体は、特許権者の特許表示権である。従って、他人の特許技術を実施しているか否かは要件ではない。即ち、被疑侵害品(製品又は方法)が他人の特許技術を実施しているとは限らない。他人の特許を詐称した製品と特許製品は異なることあり、その方法が特許方法と異なることもある。
84.特許許諾契約によって実施された技術が、許諾者の特許技術の内容と一致しないが、製品の包装には特許権者の特許番号を表示する行為は、特許権者の許可を得ずに他人の特許を詐称する行為となる。
85.特許管理工作部門が他人の特許を詐称する行為に対して行政処罰を行った後でも、特許権者は侵害訴訟を提起し、他人の特許を詐称する行為者に対して、民事侵害責任を要求する権利が有る。
86.他人の特許を詐称する行為に対して、人民法院は特許権者の請求によって侵害行為者に法律に依って民事責任を負わせる外に、法律に依って他人の特許を詐称した行為者に行政処罰を与えることもできる。
87.下記の場合の一つについて直接の責任があり、他人の特許を詐称した嫌疑がある者については、権利者に刑事提訴を自ら行わせるよう通知しなければならない。または公安機関に行為者の刑事責任の追求を移管することもできる。
(1)違法所得額が10万元以上である場合;
(2)特許権者の直接経済損失額が50万以上である場合;
(3)他人の特許を詐称したことによって行政処罰が2度以上を受けたことがあるにも拘わらず、また他人の特許を詐称する行為を実施した場合;
(4)悪い影響を与えた場合。

五、特許侵害における抗弁
(一)「特許権濫用」に基づく抗弁
88.原告の特許権が既に保護期間が過ぎているか、既に権利者によって放棄され、既に中国専利局によって取消し又は既に無効宣告されたことによって、被告が抗弁を行った場合、相応の証拠を提出しなければならない。
89.原告の特許権が特許性の要件又はその他の法律規定に合致していないことによって、無効宣告されるべきであると被告が抗弁する場合、専利復審委員会にその無効宣告請求を提出しなければならない。
90.原告が悪意で特許権を取得し特許権を濫用して、侵害訴訟を提起した場合、被告は関係する証拠を提出しなければならない。悪意で特許権を取得したということは、特許保護を取得してはいけないことを明らかに知っていたにも拘わらず、その発明創造を故意に法律を逃れ又は不当な手段で特許権を取得し、その目的が不当利益又は他人の正当な実施行為を制止することにある。
91.原告と同様の効力を有する発明又は実用新案の特許権を被告が取得したことを被告が証明した場合、審理を経て、二つの特許の技術的内容が同じであると人民法院が認定した場合、先願主義の原則に基づいて判決を下さなければならない。
(二)「不侵害」に基づく抗弁
92.被疑侵害品(製品又は方法)が、原告の発明又は実用新案のクレームに記載された必須の技術的特徴を欠いている場合、特許権侵害を構成しない。
93.被疑侵害品(製品又は方法)の技術的特徴と原告特許のクレームの対応する必須の技術的特徴を比較して、一つ又は一つ以上の技術的特徴に本質的相違がある場合、特許権を侵害していない。ここでいう本質的相違とは、
(1)新しい技術案を構成する特色的技術的特徴;又は
(2)被疑侵害品(製品又は方法)が採用した技術的特徴が、機能及び効果において、明らかに特許の独立クレームの対応する必須の技術的特徴より優れ、同じ技術領域の通常の技術者がこのような変更は実質的な改善であり、容易に思いづかないもの。
94.個人が非営利目的で製造、使用する行為は、特許権侵害を構成しない。但し、他人の特許を許可なく単位(団体)が他人の特許品を製造、使用した場合、「非営利目的」で侵害の抗弁を行うことはできず、侵害の責任を負わなければならない。
(三)「侵害と見なされない」に基づく抗弁
95.特許権の用尽。特許権者が製造又は特許権者の許可を経て製造された特許製品を販売された後、その製品を使用又は再販売する行為は、特許権侵害と見なさない。
(1)特許権者が製造又は特許権者の許可を経て製造された特許製品の部品を販売された後、その部品を使用、販売する行為は、特許権者の黙認を得たものと見なさなければならない。
(2)製造方法の特許の特許権者が、その特許方法を実施するためのみに用いる専用設備を自ら製造、販売又は他人に許諾して製造、販売した後、その設備を使用してその特許の製造方法を実施する行為。
96.先使用権。特許出願日前に既に同じ製品を製造、同じ方法を使用又は製造、使用のための必要な準備が既に終え、且つ元の範囲内で製造、使用の行為を継続している場合、特許権侵害とは見なされない。先使用権を享有できる条件は:
(1) 製造、使用の必要な準備が完成している。必要な準備とは、製品図面の設計及び製造工程の技術文書を既に完成し、専用設備及び鋳型を既に用意し、又はサンプル試作等の準備を既に完成していること。
(2)元の範囲内で製造、使用を継続する。元の範囲とは、特許出願日前に準備した専用の生産設備の実際の生産量又は生産能力の範囲を意味する。元の範囲を超えた製造、使用する行為は、特許権侵害を構成する。
(3)先に製品を製造又は方法を使用しているとは、先使用権者自身が独自に研究完成したもの又は合法的手段で得たもので、特許出願前に盗作、剽窃、又はその他の不当な手段で特許権者のところから得たものでない。
(4)先使用権者は自己が先に実施した技術を、所属企業と共に譲渡する以外に、譲渡することができない。先使用権に基づき生産された製品を販売する行為は特許権の侵害とは見なされない
97.一時的国境通過。中国の領土、領海、領空を一時的に通過する外国の輸送体において、その属する国が中国と締結した協定、又は共に加盟している国際条約、又は互恵の原則に従って、輸送体自体の必要上その輸送体の装置及び設備に関係する特許を使用する行為は、特許権侵害とみなされない。但し、交通輸送体で特許製品を「中継」するのに用いること、即ちある交通運送体から別の交通運送体に移す行為は、それには含まれない。
98.科学研究及び実験的使用。専ら科学研究及び実験のために、関係する特許を使用する行為は、特許権侵害と見なさない。ここで、特許製品に対して実験を行う行為と実験中に特許製品を使用する行為とを明確に区別しなければならない。
(1)専ら科学研究及び実験のために関係する特許の使用とは、専ら科学研究及び実験のために関係する特許製品を製造する行為が含まれる。
(2)専ら科学研究及び実験のために使用されるということは、他人の特許技術を研究、検証、改善することを目的とし、使用の結果は既にある特許技術を基礎に新しい技術成果を生むことである。
(3)科学研究及び実験過程で他人の特許技術を製造、使用することが、他人の特許技術の研究、改善を目的とせず、その結果が特許技術と直接関係がない場合、特許権侵害となる。
99.故意でない行為。生産経営の目的で、特許権者の許可を経ずに製造され販売された特許製品、又は特許方法によって直接得た製品であることを知らずに使用、販売する行為は、特許権侵害行為にはあたる。但し、使用者又は販売者が、その製品の合法的な出所を証明できる場合、賠償責任に問われない。しかし侵害行為を停止する法的責任を引き受けなければならない。ここでいう「合法的出所」とは、使用者又は販売者が、合法的な仕入れルート、正常な売買契約及び合理的価格を通して、他人から購入することである。
(四)「既にある技術」に基づく抗弁
100.既にある技術の抗弁は、特許侵害訴訟において、被疑侵害品(製品又は方法)と特許のクレームで記載された特許技術案とが均等である場合、被告が答弁で相応の証拠を提出して、被疑侵害品(製品又は方法)が既にある技術と均等であることを証明した場合、被告の行為は原告の特許権を侵害していない。
101.既にある技術を用いて権利侵害に対して抗弁する場合、その既にある技術が、特許出願日より前にあって、単独の技術案で、又は既にある技術を容易に組み合わせてできる技術案であることを当該領域の普通の技術者が認めなければならない。
102.既にある技術の抗弁は、均等論上の特許権侵害に適用され、文言上の特許権侵害に適用されない。
103.特許の技術案、被疑侵害品(製品又は方法)、引用された既にある技術案の3者が明らかに同じであれば、被告は既にある技術によって抗弁することはできず、専利復審委員会に特許権の無効宣告を請求できる。
(五)「契約」に基づく抗弁
104.契約抗弁は、特許侵害訴訟の被告が実施した技術が技術譲渡契約によって、第三者から合法的な取得したことを理由にして、侵害の抗弁することである。その抗弁理由は特許権侵害に対抗する理由に属さず、単に侵害責任に対抗する理由となる。
105.技術譲渡契約の譲受人は、契約の約定に従って譲受した技術を実施して、他人の特許権を侵害した場合、契約の譲渡人と譲受人は共同侵害となる。契約の双方が特許権侵害訴訟の共同の被告となった場合、契約に別段の定めがない限り、責任を決めるにおいては、譲渡人が先ず侵害責任を負い、譲受人は一般的な連帯責任を負わなければならない。
106.特許侵害訴訟で被告が契約による抗弁と共に、契約の譲渡人を共同被告として追加することを要求した場合、原告が追加に同意すれば、契約の譲渡人を共同被告として追加しなければならない。原告が追加に同意しない場合、契約の譲渡人は侵害責任を引き受けたのち、別個の契約訴訟又は仲裁によって契約の争いを解決することができる。
(六)「訴訟時効」に基づく抗弁
107.特許権侵害訴訟の時効は2年で、特許権者又は利害関係人が侵害行為を知った日か又は知り得た日から起算する。被告は特許権者が訴訟時効が過ぎたとの抗弁を提出することができる。
108.連続して現在もおこなっている特許侵害行為は既に訴訟時効が過ぎたことに基づいて被告が抗弁した場合、人民法院は原告の請求に基づいて被告の侵害人に侵害の停止を命じることができる。ただし、侵害の損害賠償額は原告が人民法院に提訴した日の2年前までで計算しなければならない。
109.侵害者が侵害行為の終了日から2年が過ぎたものについては、特許権者は勝訴権を失う。

六、関係する概念の理解
110.折衷原則(主題内容限定原則ともいう)とは、特許権の保護範囲は、クレームに記載された内容によって確定され、明細書及び添付図面はクレームの解釈に用いることができる。
111.周辺限定原則とは、特許権の保護範囲が、クレームの文言で表された対象に限り、クレームの文言で記載されたものが特許権の最大の保護範囲である。
112.中心限定原則とは、特許権の保護範囲が、クレームの文言記載に縛られず、クレームを中心として、保護範囲を属する技術分野の技術者が明細書及び添付図面を詳細に研究したのち、包含できると認識した範囲まで拡大できる。
113.当該製品の製造とは、クレームに記載された製品の技術案が実現されることを指す。
(1)製品の数、品質及び製造方法は製造行為の認定に影響しない。
(2)他人に製造を委託、又は製品に「監督」という表示がある場合は、製造に関わったとみなす。
(3)部品を特許製品に組み立てた行為は製造となる。
(4)特許製品の部品を交換して補修する、又は既に使用寿命が過ぎた特許製品を補修する行為は製造となる。
114.当該製品の使用とは、クレームに記載された製品の技術案の技術機能を応用したことである。
115.当該方法の使用とは、クレームに記載された特許方法の技術案の各ステップをすべて実現する行為のことである。新製品の製造方法を除いて、当該方法を使用した結果は、その性質の認定に影響しない。
116.当該製品の販売とは、クレームに記載された技術案によって製造された製品の所有権が、売主から買主に有償で移転することである。販売のため便宜を与える行為(倉庫での備蓄も含む)は販売と見なされる。
117.許諾販売とは、広告、商店のショーウインドーに陳列又は展示即売会で展示等の方式で製品の販売の意思表示を示すことである。
118.当該製品の輸入とは、クレームで記載された技術案の製品又は特許方法によって直接製造された製品を、空間上の境界を越えて域外から域内に運び入れることである。
119.方法が製品に及ぶとは、製品の製造方法の発明に特許権が付与されたのち、如何なる単位又は個人も特許権者の許可を得ずに、生産経営の目的でその特許方法を使用してはならず、さらに生産経営の目的でその特許方法で直接得られた製品を使用、販売、輸入することもできないことを意味する。
120.重複特許とは、二つ又は二つ以上の同一主題の発明創造で、クレームに記載された技術的特徴も基本的に同一で、それぞれの出願で特許権が付与されることである。
121.従属特許(改良特許ともいう)とは、特許技術の技術案が先の有効な特許を包含することを意味する。即ち、特許の必須の技術的特徴、その実施が必然的に先の特許の保護範囲に入るか、又は先の特許の技術的特徴を含み、実施するには先の特許の実施に必然的に頼ることを意味する。従属特許の主な形として、
(1)先の製品特許の技術的特徴を基礎に、新しい技術的特徴を付加した。
(2)先の製品特許の技術的特徴を基礎に、見付け出されていなかった新しい用途を見付け出した。
(3)先の方法特許の技術案を基礎に、見付け出されていなかった新しい用途を見付け出した。
122.新製品とは、特許法第57条第2項に規定された「新製品」、即ち、国内で最初に製造された製品で、その製品が特許出願前に既にあった同類の製品と比較して、製品の組成、構造、又はその質、性能、機能の面で明らかなに異なるものである。新製品に属するか否かは、原告が立証して証明しなければならない。
123.属する技術分野の通常の技術者とは、侵害発生日前にその技術分野の一般的に知られているものについて知識があって、当該技術分野の一般的な従来技術を知っており、しかも各種の通常の試験、一般的分析業務の手段、能力を備えた技術者のことである。
124.既にある技術とは、出願日(優先権の場合、優先権日)の前に国内外の出版物に公開発表され、国内で公開使用又は他の方式で公衆に知られた技術、即ち従来技術である。
125.必須の技術的特徴とは、技術案で発明又は実用新案の技術的課題を解決するのに、独立して技術的効果を生じる技術要素又は技術要素の集まりのことである。例えば、製品特許の技術的特徴には、製品の部品及び部品間の組合せの関係、方法特許の技術的特徴にはステップ、ステップ間の関係及び条件がある。
126.付加的技術的特徴とは、発明又は実用新案の技術に関係し、引用された技術案の技術的特徴に対して、さらに限定した技術的特徴、又は新たに付加した技術的特徴のことである。
127.パイオニア発明とは、全く新しいもので、技術史上に先例がなく、人類の科学技術のある時期の発展に、新たなパラダイム的な技術解決案を創作したものをいう。
128.不可限定とは、出願人がパイオニア的な発明又は重大な改良特許の出願書類を作成しているときに、その特許技術を実施する経験が不足していたために、発明又は実用新案の技術的課題を解決するのに明らかに必須でない技術的特徴を、独立クレームに書き入れ、その技術的特徴が独立クレームに新規性又は創造性を備えるための必須の条件でなく、必須でない技術的特徴が独立クレームの保護範囲を余分に限定したことをいう。このような余分な限定によって、その特許権の保護範囲を著しく小さくし、場合によっては保護が得られないこともある。
129.非実用新案的技術的特徴とは、実用新案の独立クレームに記載されたものが、製品の形状、構造又はその結合等の実用新案特許の技術案を構成する技術的特徴に属さないものをいう。例えば、用途、製造工程、使用方法、材料組成(成分、割合)等の技術的特徴。
(2001年12月24日記)

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